見知らぬ者への贈与

見知らぬ者への贈与

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出版社
武蔵野美術大学出版局
著者名
小幡正敏
価格
3,520円(本体3,200円+税)
発行年月
2023年2月
判型
A5
ISBN
9784864631532

パンデミック、そして終わりの見えない破壊と殺戮。行き詰まり閉塞した今だからこそ、マルセル・モースの贈与論の読み解きを通して、

来るべき新しい社会のシステムを模索する。



1923-24年モースは贈与論を発表し、当時整備され始めた各種の社会保険に大きな期待を寄せた。第一次世界大戦とロシア革命によって多くのものが失われ、社会のシステムが大きく揺らいだ時代だった。同時にモースはまたボリシェヴィズムへの危惧を表明し、大衆自らの積極的な参加を伴う市場の意義と「協働」を論じた。現代の協同組合、そしてNPO、NGOなどに繋がる「協働」のあり方を通して、社会の再構築と連帯を問う。



【目次】

はじめに

Ⅰ部・贈与

1章 見知らぬ者への贈与

2章 不純な贈与

3章 無償の愛と社会喪失

4章 アルカイックな贈与──クラとポトラッチ再考

5章 贈与という賭け

6章 贈与、この社会的なもの

Ⅱ部・セキュリティ

7章 AAAの高齢者──動員し選別する保険

8章 持続可能な社会保障?──エコロジー的近代化型福祉国家のゆくえ

9章 二階建ての医療──プロイセン・モデルとアメリカ・モデルのあいだに

10章 ポーパリズムの統治

Ⅲ部・保険   

11章 社会の発見──保険と調査

12章 保険の優しさと残酷さ──社会的なものの解体

参考文献(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ部)

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