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営業用トラックの「2024年問題」が注目され、物流危機が叫ばれている。
時間外労働の上限規制厳格化により、物流の主力であるトラック輸送のドライバーの確保、ひいては労働力の確保が難しくなっている。そして、これまでのような物流が持続可能でなくなってきていることが、その本質である。
一方で、人口減少に加え進む少子高齢化に伴い、物流ニーズの大きな変化が起きている。その必要性がいや増す、くらしと経済を支える新たな、そしてサステイナブルな物流を、物流事業者、荷物の発荷主や着荷主といった直接物流に関わる当事者だけで実現することは難しい。
しかし現在のところ国民の関心は、この物流大改革が生活に及ぼす影響が極めて大きいものであるのにもかかわらず、極めて低い。例えば住民の高齢化により買い物難民が生まれることに対し、買い物代行といったサービスへのニーズが高まってきており、これからの物流が果たすべき機能の一つである。
本書は、サプライチェーンに関わる人たちすべて、さらには国民全体、社会全体で考えなければならない、物流業界が抱える諸課題を解決するための問題提起を行う。すなわち、今後の社会の見通しを整理し、新たなサステイナブルな物流のあり方について、物流の現場をつぶさに取材してきた著者が処方箋を丁寧に説き起こす。
タイトルの「送料有料」は、通販における送料無料の欺瞞を批判するもので、私たちが自分ごととして、リアルに物流を考えていくきっかけとなる。
【主要目次】
1 これからの日本はどうなる?
2 新しい日本社会の暮らしと経済を支える物流はどうなる?
3 国内貨物量は減少しても営業用トラックの輸送量は増加
4 人口減少による国内市場の縮小が「物流危機」の本質
5 国内市場縮小とトラック輸送の変化
6 日本社会の変化と生活密着型の物流(拡大するBtoCやCtoC物流)とその課題
7 営業用トラックドライバーの不足問題と課題
8 取引企業がトラックドライバーの労働条件改善を阻害している
9 トラック運送事業者の側にも労働条件を阻害する要因がある
10 改善DXなど事業者も生産性向上の努力が必要
11 トラックドライバーに対する一般の人たちの見方
12 働きたい人がいないわけではない
13 新しい日本社会と消費者密着サービス
14 持続可能な物流構築は社会全体の問題
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