1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
日本と韓国の関係は、1965年の「国交正常化」以降、最悪と言われている。
その葛藤・摩擦の背景にあるものはなにか?
著者は約19年間、韓国で暮らし、日韓関係・異文化理解を専門とする研究者である。
著者が最も危機感を覚えているのは、「韓国は反日国家である」といったような、いまの日本社会に蔓延している偏見・先入観である。
その日本社会の偏見・先入観について、著者は次のように述べている。
《日本では、「韓国は反日国家である」といった決めつけや、韓国は「無責任」だの「感情的」だといった、それこそ無責任で感情的な「韓国論」もどきのヘイトスピーチが書籍になっている。書籍だけでなくテレビには、日本の社会通念では理解しづらい韓国社会の様子を「反日」の一言で明瞭に解説したかのような顔をする「専門家」が登場しているのをよく見かける。日本を基準にすれば、外国である韓国の文化に違和感を覚えることがあるのは当然のことだ。しかし、それらをすべて「反日」の一言で片づけてしまうのは正しい理解とは言えない。少なくとも韓国社会を一括りにして「反日」と捉えてしまうことは、単なる異文化理解の放棄ではないだろうか。いまの日本社会には、「嫌韓」ではないという体面を保ちながらも、韓国社会の問題点を「反日」と決めつけ批判し蔑むような言説が氾濫し容認されている。そもそも韓国社会が「反日」に支配されているという問題意識自体が、偏った情報に基づく間違った解釈である》
《近年では韓国でも「嫌韓」という表現が随分と知れ渡っている。日本における「嫌韓ブーム」の異様さを韓国メディアが伝えるようになったからだ。韓国には「嫌日本」も「反日本」もほぼ見当たらない。日本を侮辱するような本が売れるような社会的風潮は、少なくともいまは市民権をほぼ失ったと言える。むしろ「『反日』は間違っている」と主張する『反日種族主義』(李栄薫ほか、2019年)などという本がベストセラーになるほどだ。この本は歴史学の専門家たちから歴史認識に大きな問題があるとされ、韓国社会では「問題の書」として話題になった。……日本に寛容な態度を示すことがむしろ広く受け入れられるような土壌もあるということが分かる》
著者は自らの韓国体験をベースに、韓国の人々の政治・経済に対する考え方、若い世代の価値観などを紹介しながら、日本社会の韓国理解の限界を超えるために本書を執筆した。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。