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本書の核心は次の二点の論究である。〓 シェーラーの「倫理学的人格主義」の中核であり、自己自身が〈間主体的な実存〉であると了得する人間の「自己集中」の過程として説かれている〈倫理的人格の生成と存在〉論の根底には、〈人間の尊厳は奈辺に存するか〉という問いが潜むこと。 〓 それに答える過程でシェーラーの企てた、ニヒリズムを秘めた西欧近代市民社会(ゲゼルシャフ)の〈相対化〉や、〈実存的・絶対的〉な「愛と応答愛」の「倫理」としての称揚が、前世紀でのレヴィナスやコフート等の思想形成の直接的な基盤だということ。。
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