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「讐念」を「報恩」に昇華できるか?
「恩讐」とは、本書の主人公、元幕臣田邉朔郎と幕末の志士であり明治の元勲の一人であった北垣国道二人の葛藤である。国道/朔郎の二人は、お互いに明治維新「戦争」における仇敵だった。倒幕の志士と、倒された幕臣の子。戦争後、二人は「恩讐」の彼方に二人三脚を組み、京都疏水を代表に様々な近代日本のインフラを築いた。著者の田邉康雄はこの二人の曽孫にあたる。工学一族である先祖の軌跡を辿ることで近現代日本の歩みを俯瞰した。
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