あの山のむこう

そらまめ文庫

あの山のむこう

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出版社
市井社
著者名
中島さなぎ
価格
880円(本体800円+税)
発行年月
2023年1月
判型
B40
ISBN
9784882082002

私は小豆島の出身だから、隠岐の島出身の中島さんの歌にはいつも注目していた。島育ちには、島育ちの気持ちがある。表題となった歌、

 山の向こうにも
 山がある
 山を越え
 知った
 美しい山

 この歌を見たとき、私は島の人の心を思い浮かべた。島の風景の延長上にあるこの山は、はるかに遠い山である。そして美しい。
 その距離感を、私は勝手に感じていた。これは、彼女の代表作だろうと。

 甲板から
 見下ろす港
 母が
 やけに小さかった
 旅立ちの日

 この対比の中に彼女の人生はあったのだと、私は解釈していた。その中間にある都会での生活歌、日常歌は、かなりリアルであり、シビアでもある。
 そのなかでも、私が『五行歌』誌で取り上げた好みの歌がいくつかある。

 あお、みずいろ、うすみどり、
 夏日の四条大橋
 行き交う人の
 まとう衣
 打ち水のよう

 息があるうちは
 収集できません
 段ボールの仔猫
 二度目の電話で
 受け付けられる

 この人は、どこまでシニカルなのかと、思ったこの歌も印象的だった。

 詩人になれなかった
 死人
 死人になった
 詩人
 どちらにもなりたくない

 詩を書く人にはかならず見てもらいたい歌である。
(五行歌の会主宰 草壁焔太跋文より)

 叙景歌から、ちょっぴりシニカルな日常詠、そして大阪らしいユーモラスな歌も楽しめる一冊。
 巻末の、「五行歌私的年表」もユニークで楽しい。

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