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本書は、かつてカール・セーガンがいった「アップルパイをゼロから作りたかったら、まず宇宙を発明しなければなりません」の発言に沿って話が進む。そうであれば、実際にそのアップルパイの究極のレシピを見つけるには、いくつかの大きな疑問に答えなければならない。たとえば物質は本当は何からできているのか? 物質はビッグバンのものすごい熱さの中でどうやって消滅を免れたのか? そして、宇宙の最初の瞬間を理解することは可能だろうか? 本書はそうした疑問から書かれている。この本の流れに沿うなら、アップルパイはリンゴと小麦粉と砂糖と・・・となる。しかしその1つひとつはさらに何からできているのだろうか。小さなものが見えなかった時代、見る方法が生まれつつある時代、そして現代まで、人々は物質が何からできているのかをどう考え、どのようにそれを見いだす方法論を構築し、見誤ったり、勘違いしたりの繰り返しから、事実を見つけてきたのか。その変遷をたどりながら、TEDトークで250万回視聴された著者が素粒子とはどのようなものかを語る。
著者は、自らが子どものころに行ったアップルパイの分析実験から始まり、元素とは何かについて古代ギリシャの考え方を紹介し、18世紀のラヴォアジエが化学元素の概念を生み出したことを説明する。その当時は古代ギリシャの元素である土、水、空気、火からなる四元素という考え方が主流であり、それぞれがお互いに変化するものという認識だった。つまり水に熱を加えれば空気になるというような相互変換である。これは18世紀になるまで引き継がれており、この考えを否定するところから新しい化学は始まることになった。具体的には水から土への変換はしないというようなことである。それからフロギストンの話、水素に酸素を加えて水になる話などと展開していく。あとの章では元素は分子ではなく原子であることを証明していくアインシュタイン、さらに小さな原子核や電子の発見、その振る舞い、もっと分解して陽子、素粒子とどんどん小さくなっていく。こうして物質が何からできているのか、今わかっていること、わからないことをつまびらかに述べる。こうした話を身近な話題に関連して取りあげつつ、これらの発見を誰がして、当初どのように受け入れられ、あるいは無視されながら事実に近づきつつ証明されてきたのか、その経緯を歴史的に、その前後の人々の認識を絡めて段階的に語る形式を取っている。
弦理論の問題点とは? 自然の基本法則を完全に理解できるのか? スファレロンとは何か? ヒッグス粒子どうやって見つかったか? ヒッグス場とは何か? 反物質はどうやって作るのか? 超対称性とは何か? などこの分野の最新の成果を盛り込みつつ、素粒子物理学というとっつきにくい内容を、身近な物質とその成分の発見の歴史をとおして、肉眼世界からミクロの世界へと、最新の研究成果をわかりやすく語っていく。ちなみに素粒子物理学は宇宙の基本的物質の探求や、その終わりにかかわるダークマターやダークエネルギーなどの最新の宇宙研究にもつながっていることがわかる。
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