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至急、魂を解放せよ!
音楽は人間の喜怒哀楽とは切っても切れない関係にある。楽しい時、哀しい時、人は気持ちを歌に託す。ジャズももちろんそうである。ジャズは特に黒人から発生したもので、死によって奴隷の苦しみから逃れていく自由への讃歌が「黒人霊歌」にこめられている。つまり、魂の解放だ。ジャズがニューオリンズで誕生してから多くのミュージシャンが「魂の解放」の音楽を時代ごとにつくりあげてきたのだ。本書では「魂の解放」「魂の叫び」をテーマに、人生をジャズに捧げたミュージシャンたちをモデルにした12篇の短編推理小説「ジャズメガネの事件簿」を掲載。ジャズ史に隠されたエピソードと謎をジャズ探偵、成瀬涼子が解き明かす。そして、モデルのミュージシャンたちに捧げられたエッセイが各小説ごとに付随されている。それらのテーマはまさにスピノザの名著「エチカ」に通じるものがある。本書で取り上げたミュージシャンは、C・パーカー、O・コールマン、E・ドルフィー、T・モンク、M・デイヴィス、C・テイラー、A・アイラー、守安祥太郎、C・ヘイデン、K・ジャレットなど(順不同)
【目次】
序章
第一章 スノーフレイクス・アンド・サンシャイン
[エチカ1] 能動的な音の追求者
第二章 エトランゼたち
[エチカ2] エトランゼとしてのエリック・ドルフィー
第三章 ジャズ探偵成瀬涼子と快盗ブルー
[エチカ3] セロニアス・モンクの脳内の謎
第四章 スケッチ・オブ・スペインを追え
[エチカ4] マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンス
第五章 スパロウが翔んだ
[エチカ5] スパロウ最後のジャンプ
第六章 ソング・フォー・チェ/葉巻をくわえた男
[エチカ6] チャーリー・ヘイデンの解放
第七章 幻の中の幻
[エチカ7] 幻のピアニスト守安祥太郎
第八章 ブル・アキサキラ・クターラ
[エチカ8] ヴェリー・クールなセシル・テイラー
第九章 ワン・ナイト・ゲームは新宿で
[エチカ9] 新宿DIG・DUGの時代
第十章 Mr.Jは秘密のイニシャル
[エチカ10] 北欧の歌姫カーリン・クローク
第十一章 明日の記憶
[エチカ11] 謎めいた男アラン・プラスキン
第十二章 至急魂を解放せよ!
[エチカ12] アルバート・アイラ―と三島由紀夫
あとがき
初出一覧
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