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電気服はいかにして平面になったのか――具体美術協会再考のための初めてのモノグラフ
大阪および阪神間を活動拠点とした具体美術協会(略称:具体、1954~1972年)は、第二次世界大戦後の美術史において、日本のみならず世界的な視野に立っても重要な位置を占める前衛的な美術グループである。本書はその主要メンバーの一人である田中敦子(1932~2005年)に関する初の研究書である。田中作品の独創性を考察するとともに、具体のリーダーである吉原治良やメンバーの金山明との関わりの中で、その特質がいかに形成されたかを明らかにする。これまで十分に議論されてこなかった田中や金山の作品を丁寧に見直し、具体研究に新たな視点を提起する。また、彼らの作品をより広い視野から検討するために当時の前衛美術の潮流にも目を向け、ミシェル・タピエの提唱したアンフォルメル受容の観点から「具体美術宣言」理解を試みる。吉原の「物質」観と「具体」概念についての思考の過程をも明らかにし、その源流をたどることで、今後の研究のための枠組みを提示した。巻末には田中敦子が自作を語った貴重なインタビューも収録。
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