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古来日本人によってなされてきた、思想の肉化=思想体験をたどり、あわせて日本人のアイデンティティを求め、世界の中に日本の位相を定める作業を重ねる。日本人の思想と文化の深部を捉えた八十年代への提言の書。
〈目次〉
序──日本文化の脆さと美しさ
文化(culture)ということ 「衣・食・住の様式」としての文化 タタミに坐る 禅 日系社会の崩壊 日本文化の脆さと美しさ
1──日本思想における人間観
序論─日本語の構造における「人間」の意味 日本の自然と自然観 生成の神 現世主義 日本仏教の現世的性格 十七条憲法にみえる人間理解 悪の原理の弱さ 日本語のカミの概念 宮廷文化と宿世観・美的教養 武士道─献身と権利の主張 親鸞の孤独と絶対者 織田信長の叡山焼討 江戸時代の儒教─誠の哲学・天道 結語─普遍的人間観
2──日本人の死の思想──心中と殉死
心中 意地─心中の動機づけ 殉死 この世とあの世 三島由紀夫の回帰
3──明治における実務型知識人
一─十九世紀功利主義・実証主義の移植者=西周
脱藩─洋学への決意 オランダ留学
幕臣から新官僚へ その思想
二─ルソーと漢学の調合者=中江兆民
告別式 第一期 その性格形成─幼児性と正義感 第二期 フランス学修業・放縦時代 第三期 政治的言論活躍時代 洋学紳士君 豪傑君 南海先生 第四期 実業と禁酒の時代
三─知識・政治・文芸の器用人=福地桜痴
桜痴との出会い 侠客春雨傘 歴史家・福地源一郎 その家庭環境 洋行四回 全盛時代 落ち目・下り坂 多識は無力なり 即智ということ 江左第一風流才子
4──戦後三十余年の思想体験
一─敗戦の体験から学んだもの
二─和辻哲郎『鎖国』の提起するもの
三─中根千枝『タテ社会の人間関係』が提起するもの
四─R・N・ベラーの日本認識の提起するもの
五─主潮と抵抗の歴史
六─文化価値としての天皇制
七─天皇制の効用
「思想体験」ということ──あとがきにかえて
一─経験から体験へ
二─異文化の相互理解のむずかしさ
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