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◆第一句集
秋燕に開け放たるる朱雀門
「朱雀」を見つめる目の優しさが句集全体に行き渡る。古都の風景や生活をしのばせる靜江さんの作品に毎月どんなに胸をときめかせて拝見してきたことか。
序・松浦加古
◆自選十句
双蝶の白そら高く禁裏へと
子には子の数珠を鞄に入学す
馬鈴薯を嬉々とし植うる帰郷かな
佐保姫と国見の丘や鳥も来よ
一念の父祖につながる迎鐘
夜学子を待つ母のゐて駅舎の灯
秋燕に開け放たるる朱雀門
天高し香尽きるまで師の墓前
室咲の供花その中に蘭の花
しぐれては竹すすり泣く嵯峨野かな
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