1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
それぞれの人生を歩む家族の絆と成長の物語
ロザリーンの4人の子供たちは〈緑の小径(グリーン・ロード)〉近くのこの家から巣立っていった。司祭になると言って家を飛び出した長男ダンは、ニューヨークのアート界周辺を漂浪して久しい。次男エメットは、アフリカ各地で途上国支援に身を捧げている。一番上の長女コンスタンスは、夫と子供たちとの平凡だが穏やかな毎日を送っている。末っ子のハンナは、女優になったものの、いまは赤ん坊を抱えて休業中。
そんななか、夫亡き後独りで暮らす母ロザリーンから4人にクリスマスカードが届く。我が家を売ることにしたという一文に驚き、これまで帰郷を避けてきた子供たちがクリスマスに久しぶりに勢ぞろいする。だがぎこちない距離感とそれぞれのわだかまりからたびたび小さな諍いに。たまらずロザリーンは車で出かけてしまう……。
自分の居場所はどこなのか。想いはすれ違っても、心の底でいつも気にかけてくれる家族の愛情は、まるで潮の満ち引きのよう。アイルランドの厳しくも美しい緑豊かな風景は読んでいるだけで懐かしくなる。現代アイルランド文学の第一人者が精巧な筆致でリアルに描き出す、ちょっとひりひりする、ある家族の物語。アイルランド文学賞受賞作。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。