1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
生徒一人ひとりに適した学びを提供するには何が必要か?
一斉授業の殻を破り、生きた授業を始めるための最新ノウハウ満載
「授業とは、一つの目標に向けて、一つの教材を用い、一つの指導計画に沿って一斉に進められるものだ」―教師だけでなく、生徒も、保護者も、このように思いこんでいないでしょうか?
確かに現実の教員養成課程では、長らくこうした「一斉授業」が指導されてきました。しかし、そのような授業がすべての生徒にとって最適だとは言えません。生徒は一人ひとり、それぞれに興味・関心の対象を持ち、授業内容の習得レベルも、学ぶスピードや学び方も異なります。一斉事業では、こうした生徒の多様性に対応することはほとんどできません。しかも、目標や計画を立案する、失敗を次に活かす、リーダーシップを高めるといった、実社会で必要となる力を養成することも、一斉授業ではとうてい望めないのです。
では、生徒一人ひとりがそれぞれに合った学び方を通じて目標に到達できるようにするためには、何から始めればよいのでしょうか。その鍵が本書にあります。まず本書では「学習センター」の設置が提案されます。これは「教師の継続的な指示を必要とせずに、生徒が自立的に学べる教材を用意したコーナーを、教室内に複数設置する方法」です。そして学習センターのつくり方や発展のさせ方、豊富なヴァリエーションなどが、教師の失敗談や教室でのエピソードも交えつつ、具体的かつ鮮やかに解説されます。一斉授業からの脱却を目指して奮闘している教師を挑戦にいざない、アイディアと閃きを与えてくれるものと確信しています。
しかし、授業改革は教師だけで成し遂げられるものではありません。管理職や教育行政職員、学校図書館司書など学校関係者や、地域の人々、そして教員養成に携わる大学教員の協力が不可欠です。ぜひそうした方々にも本書を一読いただき、一斉指導を乗り越える気運が教育界全体に広がることを願っています。(こが・よういち 島根県立大学准教授)
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。