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第1回警察小説新人賞受賞作!
付け火の真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。
おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。
手がかりは漆で塗られた謎の蓋のみ。器の身はどこにあるのか? いったいどんな器なのか?
もつれた糸がほどけずに四人が焦るある日、大川に若い男の土左衛門が上がったという。
袂から見つかったのは漆塗りの毬香炉。だが、妙なことに蓋と身が取り違えられていた。
身元は薬種問屋相模屋の跡取り息子・藤一郎で、のちに利助の遺した蓋と藤一郎が遺した毬香炉は一対だったと判る。
利助と藤一郎とを繋ぐ毬香炉は果たして誰のものなのか?
おまきと三人は新たな手がかりを元に利助を探し出せるのか?
【編集担当からのおすすめ情報】
選考委員満場一致の受賞作だけあって、とても新人とは思えない筆力に驚かされます。捕物を愉しめるのはもちろん、江戸情緒もたっぷり描写されていて、特にヒロインの探索を手助けする、少年ふたりにかかわる人情の機微が読みどころとなっています。
選考委員をしてくださった各先生のコメントもどうぞ。
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相場英雄氏
「流れるような文体、各キャラクターの視点、そこから広がる江戸の風景描写が俊逸」
月村了衛氏
「堂に入った書きぶりで、江戸情緒、人物描写ともに立派なものです」
長岡弘樹氏
「この文章はすでにプロ級であり、読み手は安心して作品世界に身を委ねていられる」
東山彰良氏
「細部にまで目端が行き届いていて、登場人物を過不足なく使い切っているところが見事でした」
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