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キリスト教徒の政治的共同体における本質と諸権利、そして「暗黒の支配者たち」を論じて大著は完結する。近代政治哲学の歩みはここから始まった。===政治的共同体を永続させる諸原理は、聖書に由来するとして、次にキリスト教論が大規模に展開される。神の国と現世の政治的共同体との間に横たわる忠誠をめぐる分裂。ホッブズの政治理論はどのようにして問題の解決を図ったか。神の法は自然の法であるため、われわれは信義を守り、相互協約の上に設立された政治的主権者に服従すべきである。そしてそこにこそ来世における救済はある。これがホッブズの提示した答えであった。下巻には「第三部 キリスト教徒から成る政治的共同体について」「第四部 暗黒の王国について」を収め、巻末にはホッブズ問題に触れた訳者の解説的論考と年譜、索引を付す。===不朽の古典、新訳神への忠誠と政治的統治者への忠誠。分裂はいかに架橋されたか。キリスト教政治学が展開される。
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