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「存在論的転回」が人文学を揺るがしているという。しかし,南米の先住民研究に触発された存在論的アニミズム論はほんとうに新しいのか? いや,もっと有体に言えば,人間中心主義を批判しながら南米先住民社会の自然と人間の対称性を再び人間(人格)モデルを用いて外から解釈したに過ぎない。岩田慶治は,すでに1970年代,当時の挑戦的と言われた人類学者でさえ絶句した,人と草木虫魚の一体性を説いた。しかもそれは,草木虫魚とともに生きる東南アジアの人々の精神世界に,外からの解釈でなく,自己を投げ出す「参与」という実践の中から生まれたのだ。いまこそ〈自分学〉として成された新アニミズム論を評価し,狭い「学」としてでなく,我々の生き方の知として学ぶ時なのだ。
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