このままでは重篤災害は減らない。建設現場における安全構築の革命的アプローチを解説
きつい、汚い、危険の、いわゆる3K職場と揶揄される建設現場。とりわけ、危険にかかわる問題は深刻だ。建設業における死亡者数は全産業の実に1/3を占め、ここ10年は下げ止まりが続く。こうしたことから建設業は敬遠され、中長期的な担い手不足が大きな課題となっている。
建設業で、なぜ、死亡者数が減らないのか――。一品受注生産、現地屋外生産、労働集約型生産といった特有の事情から、製造業の工場内で採用されているような危険な機械を柵で囲うといった安全対策が実施しにくいためだ。そんな建設業だからこそ、将来の担い手が安全で安心して働ける職場をつくるために、これまでにない斬新かつ大胆な取り組みが求められている。
本書は、建設現場の安全構築に向けて、大きく二つの新しいアプローチを紹介する。一つは、建設現場における10万人当たりの死亡者数が日本の半分以下を誇る英国のアプローチ。発注者、設計者、施工者の各役割や、建設プロジェクトの体制などに安全成績に優れる秘密が隠されている。もう一つは、安全構築で先行する製造業のアプローチだ。「人はミスをする、機械は壊れる」ことを前提に、技術を上手に活用する。これらのアプローチは、重篤災害の一段の減少を後押しすると同時に、建設現場をウェルビーイング職場へと変貌させるであろう。
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