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『幸福のゾンビ ゾンビ短編集』は「1 幸福のゾンビ/2 サイレンとマジョリティ/3 ジェイコブ・ウィリアムズ/4 ネクロメイト/5 喪鳥シビト/6 死人(しびと)の楽団/7 スタリオン」の7篇の短編小説から構成される。「幸福のゾンビ」では過去の記憶も思考も感情も失っているとされるゾンビの少女が実は内面を持っていて人間に恋する。当然彼女の恋は叶わないが、もはや死んでいるので彼女は死ぬこともできない。「サイレンとマジョリティ」では奥手の高校生がクラスのアイドルの女の子を守ってゾンビになり、すべての過去の記憶を保持したまま町を彷徨う。「ジェイコブ・ウィリアムズ」ではギャングの黒人大男がゾンビになりその過去を絵に描き始めその絵は多くの人々の心を惹きつける。「ネクロメイト」は死んだ美少女を一種のゾンビにして愛好者にネクロメイトとして貸し出す地下業者の商品に死んでしまったかつての恋人を見つけ、破産するまでレンタルする青年の話。だが果たして彼は本当に死んだ美少女の恋人だったのか。「死人(しびと)の楽団」は絶対専制君主の王様によりゾンビにされ、町々を演奏して歩くゾンビ楽団と王の娘の危うい恋と裏切りの小説。「スタリオン」では世界はゾンビだけになり、唯一生き残ったタケルという男の子がゾンビにかしずかれて大事に育てられている。目的はタケルをフミカという、やはり世界でほんの数人の生きた女の子と結婚させ彼らのDNAから国民全員(全員ゾンビ)に配給する新たなタイプの人工肉を作るため。しかしフミカは傍若無人なワガママ娘。タケルは幼い頃から優しく世話をしてくれるゾンビの元子に恋心を抱いているのだが・・・。文明批評、視点の逆転、どんでん返し、ホラーを織り交ぜた遠藤徹によるおかしくて楽しくて本当に怖いゾンビ小説!
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