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そうか、君はもういないのか。
いったい何千人の人が、
この切ない気持ちを味わったのだろうか。
――ともかくノボよ、ありがとう。
累計227万部を突破した大ベストセラー「大人の流儀」シリーズから特別編「君のいた時間」が発売となります。
昨年1月、一匹の犬が天国へと旅立ちました。作家・伊集院静氏が「東北一のバカ犬」と可愛がってきた愛犬・ノボくんです。執筆のため、仙台の実家と東京の仕事場を行き来する多忙な日々。そんな生活を支えてくれたのがノボくんでした。
ペットを飼った人が、かならず直面しなければならない別れ。伊集院氏は哀しみの淵に立ちながらも、そこで言葉を紡ぎます。
「出逢えば別れは必ずやって来る。それでも出逢ったことが生きてきた証しであるならば、別れることも生きた証しなのだろう」(伊集院静)
作家と愛犬の友情物語を是非御覧ください。ペットロスから立ち直るヒントが、そこにはきっとあるはずです。
[目次]
第一章 いったい誰に似たのやら
ダメな子ほど可愛い
初めて哀しい顔を見た
売れ残った犬
一緒に木槿を眺めた
いったい誰に似たのやら
いつか別れが来る
たぶんわかっているのだろう
風に吹かれて
犬には犬なりの考えがある
待て! 待てだぞ
私のほうが救われている
第二章 運命の出逢い
あいつ、どうしてるだろうか
明日は我が身
今食べたばかりだろう!
ふいに切なくなった
どこ行ってたんだよ
運命の出逢い
おまえは十分に生きた
我が家に酸素室が入った
ノボが不良になった朝
生きる速度が違うのだ
よく、ガンバッタナ
第三章 かけがえのない時間
犬も辛抱せねばならぬ
一匹の寝つく力
どこへ行くのかナ
バカだね、おまえは
少しは心配せんか
かがやくガラクタ
言葉が返ってこなくても
犬に誕生日があるのか!
あの犬メ~
かけがえのない時間
第四章 ともかくノボよ、ありがとう
飼い主と犬以上のもの
とぼけたような瞳
いらぬ手助けはしない
二人で眠るとしよう
ともかくノボよ、ありがとう
悲しみは、ふいにやって来る
そうか、君はもういないのか
急に静けさがひろがった
グズグズした男になるな
人は歩きだすしかない
出逢いを忘れずに
ずっと隣にいてくれた
特別収録
湘南のちいさな海辺で
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