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――風が膨らむように吹いていた夜だった。
2010年代以降の短歌シーンを支えつづけた「あの男」が、ついに!
決意と孤独と優しさの第一歌集!
寒気団 いずれ私が立つはずの荒野を澄ますために寄り来る
作業員・廣野翔一、醜聞の特に無ければ赤だし啜る
われを慰め家へ帰せり 怪獣を星ある方へ戻すごとくに
「生きるために世界の「冷たさ」に馴染んでみようと努めてみる。」
文月悠光(栞文より)
「こんな孤独な言挙げを最近あまり見なくなった。ああ、いいな、と思う。」
吉川宏志(栞文より)
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