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「地域にもっとにぎわいがほしい」
「困っているはずの人から声が上がってこない」
「せっかく学んだ専門知が専門外の人に伝わらない」
災害復興、再生医療、にぎわい創出、創造教育……境界を越えて困難に立ち向かう作法と実践。
【本文より】
感染防止をとるのか、経済生活をとるのか──これは、立場や考え方によって意見が異なり、「みんな」が合意できる解決策がなかなか見つからない「やっかいな問題」である。
実は、問題がやっかいであることは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、震災や台風の災害、気候変動、水不足、紛争など、どの社会課題にもあてはまる。〔中略〕
特定の学問分野の専門知、特定の現場で得た経験知だけで解決することは不可能であり、また、それらの知を寄せ集めただけでは大きな力にはならないであろう。知を力に変えるためには、学問分野や立場の違いを乗り越えた「共創」が必要である。〔中略〕
本書は「やっかいな問題」を「みんな」で解くために、どのような考え方、しくみ、場やネットワークが必要かを考察する〔中略〕
社会課題の多様さと複雑さに対して、個々の取り組みの影響力は小さく、無意味なものに見えるかもしれない。しかしながら、〔中略〕少数のイノベーターが突然現れて社会を一気に変えるのではなく、無数の無名の人びとが出会い、情報を交換し、行動をともにし、辛抱強く問題を解きほぐしながら次につなげることによって社会は変革されてきたのだ。「やっかいな問題」は、やっかいには違いないが、解けない問題ではない。重要なのは、解けるか解けないかではなく、解こうとするかしないかだ。
本書が「やっかいな問題」から目をそらさず、「みんな」で解こうとするソーシャル・ムーブメントにつながる第一歩になることを願う。
【この本で扱うおもな課題】
「地域にもっとにぎわいがほしい」
「せっかく学んだ専門知が専門外の人に伝わらない」
「空き家が増えて困る」
「公園がさびれて人が寄りつかない」
「アートの力で地域を元気にしたい」
「学ぶことの面白さを子どもたちに伝えたい」
「高齢者男性にも活躍の場がほしい」
「困っているはずの人から声が上がってこない」
「外国籍の人たちや障がい者の声をまちづくりに活かしたい」
「科学技術の問題を専門家だけに任せない」
ブックデザイン 文平銀座
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