文化大革命期に大学で学び、ハーバード大学で西側の法理学を学び、博士の学位を取得した於興中氏は、西側諸国は「法の支配」を人類社会の最も理想とする状態と考えているが、これは永遠の仮説であると言う。於興中氏は、資本主義制度下の社会の分断及び階層間の不平等などの多くの問題があることを指摘し,強勢文化、二元認識論及び法の支配の関係について検討し、法の支配にも弊害があることを指摘する。本書は、中国における法の支配によらない社会の形成をしようとする中国指導者の基軸となるものの考えかたを示した一面があり、現在の中国の習近平国家主席の思考形態を理解する上でも有用である。法律改革論者に比較の第三項を提供している。
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