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近世中期、上方学芸の隆盛の背景には、豊富に舶載受容された明清漢籍の存在があった。
儒学はもとより医学、書学、そして国学(和学)においても、漢学の日本文化に与えた影響は大きく、それは大名家、富裕層、さらには新興の個人蔵書家の蔵書や漢籍の要文を書き抜き、手控えとした抄記などにまざまざと表れている。
都賀庭鐘『過目抄』、奥田尚斎『拙古堂日纂』などの漢籍抄録、漢籍・和刻本における書入など、諸種の読書記録を詳細に分析。
さらには文学・書画・医学など多方面に大きな影響を与えた『世説新語補』の受容の諸相を把捉することで、漢籍受容の諸相を鑑に近世中期日本の特質を明らかにする画期的著作。
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