【書籍内容紹介】
本書は、この500年の間に交わされた、作家や詩人の手紙をまとめた書簡集です。
下積み時代の苦労と野心、家族や愛の話、創作期の絶頂から人生の黄昏時に思うことまで……。
言葉を自在に操った作家たちが残した私信から、その濃密な人生模様を垣間見ることができます。
「大鴉」の修正を編集者に指示するポー、愛する人への手紙に詩を添えるゲーテ、
ジャン・バルジャンのごとく「闇夜」を照らそうとしたユゴー。
その筆跡からは書き手の息遣いまでが伝わって、
彼らの「知られざる作品」を読んでいるような感覚を覚えるかもしれません。
手紙原文は、各言語に対応した11人の専門家が翻訳しました。
書かれた時代背景や、作家・詩人についての解説も合わせてお楽しみください。
【池澤夏樹さん推薦文】
手紙を書く時、人は真意を伝えようと必死になる。
たとえ作家でも、また詩人でも。
─まず企画がいい。手紙というのはもっと読まれるべき文芸だから。
それに実物の写真を配するのも書き手の体温の感じがあっていい。
更にセレクションがよく、作家や詩人を簡潔に紹介する編者たちの文章がいい。
一通また一通と読んで、そのたびに何か一つ楽器が心に響くよう。
好きなのを1点選べば、筆跡ならこの手紙の4年後に自殺するシルヴィア・プラス。
文章ならドレスデンの大空襲を生き延びたことを家族に伝えるカート・ヴォネガット。
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