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本書は現代のデザインのあり方に対する批判であるとともに、その背景にある現代資本主義社会への批判でもある。従来のデザイン論とはまったく異なる視点からのデザイン論である。いまデザインがかかえる問題は単にデザイナーという職能の問題だけではなく、それを含む社会全体のあり方に関わる大きな問題にまでなっている。(「はじめに」より)
買い替えが当然のように促され、エネルギー消費量や廃棄物が増え続ける現代社会。「持続可能な社会」と「経済成長」の間での対立的矛盾の中で、デザイナーが考えるべきこととは? 本書は、高度成長期に育ち、 工業デザイナー、そしてデザインの思考過程を主とする研究に取り組んできた筆者が、マルクスの資本論を手がかりに資本主義社会への疑問と矛盾の分析を試みる、まさに戦後デザイン史の「生き証言」である。
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