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「三十年も前の手術のことを聞かれても話すことはない。帰ってくれ」
「そこを何とか。先生の手術のおかげで、命は救われましたが、フィブリノゲン製剤のせいで長くC型肝炎に苦しんできた患者さんのためにお願いします」
そんな対話をカルテがないC型肝炎弁護団の弁護士は何度もしてきた。そんな対話のあとの患者や遺族の落胆・絶望の表情が今も思い出される。
どうしてこんな中途半端なC型肝炎救済特別措置法になってしまったのかと、憤りを禁じ得ない。
本書は全国7弁護団の患者と家族そして弁護士たちが、C型肝炎特措法の問題点、限界を克服するべく取り組んできた十年余の苦闘の実態を報告し、何としても現行特措法は単なる延長ではなく適正な法改正がなされるべきであることを、多くの方々、特に国会議員や厚生労働省の担当者に理解いただくために刊行した。(2022.11)
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