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◆第九句集
氷柱折るとき星々の声のあり
「星々」の語を含む作は、眼前に迫りすぎて前のめりにならぬよう、ゆったりとひろやかな〝眼前〟を志向したいとの思いから選んだ。
(著者)
◆自選十五句
梅の中ひとすぢの水走りけり
ゆつくりと蛇のどこかの進みをる
五千石二十年忌の雨の音
スケートの十一歳は風のやう
忽然と桜満開誓子の忌
母の日の義母と握手をしてをりぬ
よくきれるおとのしてをり松手入
氷柱折るとき星々の声のあり
ずぶ濡れの礁の春となりにけり
尾からすぐおたまじやくしの首ねつこ
平成に摘みし令和の新茶かな
次の星流れたるなり山上湖
鳥羽僧正忌蛙らの穴に入る
『瘤』といふ小さき句集開戦日
ゆりかごの中に瞳よもがり笛
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