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乳幼児の命を突然に奪う「乳幼児突然死症候群(SIDS)」。
長年、原因不明の疾患とされてきたが、近年その原因と対策が明らかになった。
本書では、まず乳幼児突然死症候群とはどんな疾患であるのかを検証し、その不条理な疾患がもたらす家族、特に母親の悲しみの深さを浮き彫りにする。
次に乳幼児突然死症候群の病態が解明されるまでに研究者たちが歩んできた道のりを振り返り、近年になってようやくAndre Kahn 博士らの研究によって明らかにされたSIDSの病態生理を解説する。
そして、人類学的見地から、赤ちゃんのあおむけ寝が人類を進化させ、突然死を減少させたことを述べる。
さらに乳幼児突然死症候群の発生が育児環境に大きく影響されることを踏まえ、うつぶせ寝保育が最も重要なリスク因子であるということに至るまでの歴史的経緯をたどる。
そこには著者も含めた医療者による人為的な関わりがあったことを、深い反省と共に再確認する。
最後に、近年は働く母親が当たり前となり、これまでの家庭中心だった乳幼児の養護において保育施設の重要性が増してきた。
それに伴う、乳幼児突然死症候群の予防が保育施設の大きなテーマとなっている。
その最新のガイドラインを解き明かす。
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