耳の叔母

耳の叔母

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出版社
書肆侃侃房
著者名
村田喜代子
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2022年10月
判型
四六判
ISBN
9784863855472

怖れと闇と懐かしさ

ムラタワールドの「短編愛」



短編はコロコロと手の上で転がしながら考える。

うまく芽がでてすくすく伸びると、やがてひとつの「話」がひらく。



芥川賞作家、村田喜代子の選りすぐりの短編8編を収録。



美とおののきの短編アンソロジー。





「女の子って、夜見るとなんだか気味悪いな」とつぶやいた。蛍見物の人の群から離れて、わたし達は明滅する火に囲まれていた。それらの火は、わたしが「消えろ」と心に思うと消え、「点いて」と思うと本当に点くような気がした。わたしは沢山の蛍を従えて、タケオの前に立っているのだった。「あたしがこわいの?」  ――「流れる火」より

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