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戦前、1920年代に形成された被差別共同体を取り巻く住居、労働などの諸環境の悪化や失業、恐慌などに起因する制度疲弊への対応は、解決への根本的かつ有効な手段は採用されず、1940年代の統制と規制その後の総力戦体制によって排除や抑圧などの構造的矛盾は放置・再生産され、諸問題の解決への方策はとられなかった。
敗戦後、占領期の諸政策がある程度有効性を発揮しつつあったが、1950年代、特に中盤にわたるその時期の被差別共同体総体としての質的転換の過程にこそ、現代の周縁社会問題の契機の一端が伏在する。都市史研究ではほとんど対象化されない「差別」に基軸をおいてその変容過程を本書では論ずる。
この時代を見ずに都市周縁社会を照射してみても、非歴史的・非合理的な要素しか見出しえない。ステレオタイプの周縁社会史像をいったん切り崩し、構築し直された歴史像を提示することによって、現代社会の差別問題の根源を歴史的に究明が可能となる。
被差別共同体(マイノリティコミュニティ)は、近代日本の市民社会がその成立の前提としている公共性(圏)のなかで、いかに位置づけられ、またその状況に対応したのか。被差別共同体の社会的結合様式とその変容過程を通してこの問への答えを見出そうとするのが本書の課題である。
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