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敗戦後の日本に、アメリカから大勢の兵隊がやってきた。言葉の通じない、遠い国にやってきた彼らに、娯楽を提供したのが、日本の芸人やダンサーや歌手たち。歌手は英語で歌い、芸人は見てわかる芸を披露した──紙切り芸/ステージ漫画/百面相/コミック相撲/野球コント/古今東西の奇術(水芸、ギロチン…)/太神楽曲芸/餅の曲搗き/胃袋曲芸/ナイフ抜け/額と歯の曲芸/頭で立って階段を上る/軟体芸/コミック器械体操/自転車曲乗り/タップダンス/ジャズ・コーラス/コミック・バンド/ハーモニカ/指笛音楽──。少し前までの敵を前に、おのれの身体と才覚とで鍛え上げた「芸」を披露して、戦後を生き抜いた人々。「忘れちゃいけない芸と芸人」をご覧あれ!
【目次】
第一章 米軍慰問ショーの草創と活況
1米軍将兵を慰問する
バラエティ・ショーはじまる/米軍慰問の初舞台…
2占領軍への芸能「提供」
「終戦処理」事業/芸能審査と出演料…
3米軍慰問ショーの時空間
時間にうるさい進駐軍/「占領軍慰問団一行」、鉄路をゆく…
4米軍慰問市場の繁栄
朝鮮戦争期の活況/「受けりゃいいから、なんでも出した」…
第二章 進駐軍で色物を
1モノとひとの七変化
古今無類の初代正楽/墨汁の「ジャズ漫画」…
2進駐軍を笑わせる
ボクシングで笑う/四分三〇秒の野球コント…
3奇術で生きた戦後
松旭斎の流れをひく女たち/中国から来た奇術師たち…
第三章 軽業曲芸の世界
1めくるめく曲芸
明治・大正生まれの太神楽師/「荒芸」と呼ばれて…
2おどろき軽業ここにあり
寺島玉章・茶目と旭天華・天徳/輝ける横井姉妹…
第四章 歌舞音曲とアメリカ
1女と男のダンス
岡本姉妹のアクロバティック・ダンス/踊り子たちの残映…
2アメリカを歌い奏でる
エリー・チエミから江利チエミへ/箏でジャズ…
第五章 米軍慰問ショーが衰退して
その後の演者たち/芸人というアーティスト…
青木 深(あおき しん)
1975年生まれ。都留文科大学教授。歴史人類学、ポピュラー音楽研究。著書に『めぐりあうものたちの群像──戦後日本の米軍基地と音楽1945-1958』(大月書店、サントリー学芸賞受賞〈社会・風俗部門〉)、『シリーズ戦争と社会 3 総力戦・帝国崩壊・占領』(共著、岩波書店)など。
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