愛しいあなた

現代台湾文学選

愛しいあなた

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出版社
書肆侃侃房
著者名
劉梓潔 , 明田川聡士
価格
2,090円(本体1,900円+税)
発行年月
2022年10月
判型
四六判
ISBN
9784863855465

何を書くか、どうコラージュするのか、その細かな取捨選択に宿る煌めき。

読みながら、自分が出会ってきたあらゆる愛しい人を思い浮かべたけれど、読み終える頃にはこの小説が、愛しいあなたになっていた。

――?金原ひとみ(小説家)





エッセイ・リウは生来のストーリーテラーだ。独特の作風には絶えず比喩が混ざり込む――きっぱりと鋭く、びっくりするほど。彼女の短編小説を読んでいると、ラインすれすれに打ち込む一流のテニス選手のように思えてくる。一回打っては打ち返し、正確にしかもリズミカルなラリーが続く。目の前ではずっと続くように思えていても、突然のスピンボールに相手が戸惑っている時、ポイントを奪ってしまう。読者は短編小説を読んでいくうちに物語に引き込まれ、劉梓潔の世界に完全に入り込んでしまう。

――侯文詠(作家・医師)





劉梓潔は二十一世紀台湾人女性の声を代弁する。物語を紡ぐ時、不要な説明は避け、場と場を?ぐ説明も省かれる。彼女が描き出す言葉には強い自信が表れ、受け身で、解釈されることを待ち、意味づけされるのを受け入れるだけの女性は出てこない。物語をシーンごとに?げていくと、それはまたカットごとに自ずと?がっていくのである。女性の物語や男女の物語はここから語り出されるのだ。

――陳芳明(台湾文学研究者)





『父の初七日』監督・脚本のエッセイ・リウ。

映画の原作エッセイがベストセラーとなった作家の最初の短編小説集。





子供が欲しい。でもそれってホルモンのせい?でも、過ぎてしまえばそれでいいなんて私は思わない…「愛しいあなた」。母親には永遠にわからないだろう。それは四倍の愛なのだ。母と父の役目で二乗。会えなかった最初の息子の分でさらに二乗だって…「プレゼント」。私は年上の人しか好きになれないんです。父の秘密と私の恋…「失明」。台湾の現代女性の愛と痛みを衝動的に描いた短編小説集10編。

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