実務に適用できるレベルまで機械学習手法を習熟するためには、統計的学習・推論をコンピュータ上で実行するためのプログラミング、回帰や分類など機械学習アルゴリズムを構成する理論や方法論、データや解決したい問題の特性に応じた手法の選択とチューニング技法、適用する業界や専門領域での実例まで広く学ぶ必要があるが、体系的に効率よくこれらの項目を学習することは容易ではない。
本書では多くの実践者がデファクトスタンダードとして使用しているPythonおよびAnaconda、Keras、TensorFlowといったプログラミング言語・ツール・フレームワークを用いて、画像やテキスト、時系列データといった多種多様なデータに対して、機械学習を適用する前準備としてのデータ処理から、機械学習手法の選択および実装、結果の可視化と効果測定までのアプローチを豊富なサンプルコードとともにハンズオンを通して実践的に学ぶことができる。
取り上げられている機械学習の手法も、ロジスティック回帰・サポートベクターマシンをはじめとした定石として確立されたものから深層学習・強化学習といった近年注目を浴びているものまで、バラエティに富みつつも実用上有効なものにフォーカスしている。また、各手法を一から実装をするのではなく、可能な限りオープンソースライブラリなど既存の資産を活用している点も実務者にとって有用であろう。
データサイエンティストや機械学習エンジニアへのキャリアチェンジ、スキルアップを目指すITエンジニアや、機械学習の適用例を確立された技術から新しいものまで効率よく広く俯瞰したい初学者にとって、機械学習の実務適用の全体像を効果的に把握するために、手元に置いておきたい良書である。
[原著: Mastering Machine Learning with Python in Six Steps: A Practical Implementation Guide to Predictive Data Analytics Using Python, 2nd Edition, Apress, 2019]
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