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既に260号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。
新シリーズ6巻目は、国鉄の旧型電機の中でも非常に数奇な運命を辿ったことで知られる「国鉄EF13形」を取り上げました。
RMライブラリーの第125・126巻として刊行したもので、さらにカラーグラフ4ページを新規制作しています。
EF13形の誕生の経緯、それは「戦時体制下で、大幅な物資の制約を受けて設計された」という一言に集約されます。
実際には戦後に落成した号機も多いのですが、いずれにしろ極端な物資不足により極めて珍しい凸型車体を持つに至り、当初はデッキの手すりなども設置されていませんでした。
部分的に木材のような代用材も用いられ、機能的にも故障が相次ぐ有様だったと言います。
しかし、この凸型の車体というのが、ある意味無駄をそぎ落とした、一種の機能美を感じさせるものであることも否めません。
その後、第1次装備改造として電気回路部分の標準化などが施され、性能的には落ち着きを見せます。
さらに第2次装備改造として、その頃流線形車体への載せ替えが進んでいたEF58の旧車体をEF13に載せ替えるという大改造を受け、EF15形にもよく似た外観を得るに至りました。
末期は首都圏の貨物列車用として黙々と働き、1980年代を目前とした1979年に全廃となりました。
本書は技術士として機関車の機能に造詣が深く、またフルスクラッチを旨とする模型製作者としても名高い著者によるもの。
EF13形は時代の要請から大幅に機器を省略して登場しましたが、その使用実績から次世代機関車は無駄を省き信頼性を向上させることができた…という記述は目からウロコです。
また、モデラーにとって気になる号機ごとの個体差も、極力満遍なく収録された鮮明な写真によって明らかになっています。
著者自ら作図による外観概略図も資料性が高く、保存版として価値ある一冊となっています。
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