九龍城寨の歴史

九龍城寨の歴史

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
みすず書房
著者名
魯金 , 倉田明子
価格
4,620円(本体4,200円+税)
発行年月
2022年10月
判型
四六判
ISBN
9784622095163

1997年の香港返還を前にして解体されたにもかかわらず、今なお伝説的巨大スラムとして語り継がれる〈九龍城〉。要塞のごときビル群が聳えていたこの地には、かつて本当に城壁を備えた砦が築かれていた。
九龍は、明代後期にはすでに倭寇防衛のための兵力が駐留し、清代以降も、遷界令解除後に辺境防衛の拠点とされた。やがて清朝政府が海賊やアヘン密輸への対処を迫られるようになると、その重要性は高まり、軍備が増強された。アヘン戦争後、香港島がイギリスに割譲され、植民地香港が誕生すると、九龍城寨の官員はその動向を偵察する役割も担うようになる。そして1898年の新界割譲の際、この城寨だけが中国領として保留されたことで、その地位はますます特殊なものとなった。
その後城寨が清朝の実質的な管理下から離れ、中英間ではしばしばその領有が争われたものの、民国期の中国国内の混乱や日中戦争の開戦の陰でこの問題は捨て置かれた。そして戦後、この領域は、植民地香港の中にありながら香港政庁もイギリス政府も中国政府も管轄できない「三不管(サンブーグアン)」の地と化していった。
香港の郷土史に精通したジャーナリストが、九龍城寨の成立から解体までを紐解く。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top