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・これまでの渋沢栄一像が激変する1冊
・知られざる渋沢翁の晩年に特化
・翁こそ、日本の良心の光
幕末期の行動、経済人としての功績、論語と算盤、残された名言集など、すでに語りつくされた感がある渋沢翁。では、なぜ今、翁の新刊なのか。
本書は、翁が経済界から一線を退いた後を追いかけたものである。
深谷市で生まれ育った著者が、1990年代からはじまった、翁の顕彰活動を経たことをきっかけに、残された文献の研究を開始する。
その後、新1万円札の肖像画として翁の掲載が決まり、大河ドラマや関係書籍で取り上げられる「資本主義の父」というイメージに違和感を覚えた。
なぜなら、翁の素晴らしさは、資本主義、社会全体の発展に貢献したことと同じくらい、いや、それ以上に晩年の行動にあると考えていたからである。
では、翁の晩年の行動とは、どのようなものなのか。
みなさんはご存じだろうか。翁は日本国際連盟の初代会長であったことを。
日本国際連盟とは、現在の国際連合の日本支部のことである。
残念ながら、日本は国際連盟を脱退して大東亜戦争に突入し、現在に至っている。
翁は1920年、80歳の時に日本国際連盟の会長に就任し、永眠する91歳までその活動を続けた。
偉大なる経済人としてはもちろんのこと、論語に裏打ちされた思想、数々の名演説から連想される人柄、実際の行動。
日本国際連盟の会長として、とにかく戦争だけは起こさない、「戦争を喜ぶと云ふことは人類の最も恥づべきことである」と述べ、激動の時代に命をかけて平和を追求した人物だったことがわかる。
なぜ、研究者やマスコミは翁の晩年をフィーチャーしないのか。
翁の晩年にこそ、閉塞した現代を打ち破るヒントが数多くある。
新1万円札が流通する前に、今一度、翁のメッセージを知ってほしい。
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