いのちがかえっていくところ

絵本・こどものひろば

いのちがかえっていくところ

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出版社
童心社
著者名
最上一平 , 伊藤秀男
価格
1,430円(本体1,300円+税)
発行年月
2022年10月
判型
A4
ISBN
9784494015825

たもんはお父さんと、はじめてのイワナつりにやってきた。山の中の川、大きな淵で何度もエサをながすけれど、つれない。
あきらめかけたとき、さおさきがグイグイッとまがった。さかながくいついたのだ。さかなはグイグイひっぱり、頭があつくなり、しんぞうがドッキンドッキンする。右に左におよぎまわるさかなと長くたたかったすえ、ついにたもあみの中にさかなをとりこんだ。
「すごいぞ、イワナだ! おおものだ」
はじめてつりあげたイワナだ。たもんは、ほおずりしたくなるほどいとおしかった。
やがてお昼になると、「たもんのつったイワナをごちそうになるべ」と、お父さんはイワナをくしにさし、たき火でしおやきにした。たもんはむねがいたみつつ、ガブリとやった。
「うまいよ!」話しかけるようにいうと、なみだがポロンとこぼれた……
釣りを通していのちの躍動を感じ、そのいのちをおいしくいただくことで、初めていのちの大切さ、重さを実感する。そうした少年の心情を、繊細かつ力強く描く絵本です。

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