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『論語』の研究,すなわち注釈は漢代から始まり,その成果は魏の何晏(190-249)『論語集解』にまとめられ,また300年後にはそれらも含め新たな研究を集約した梁の皇侃(488-545)『論語義疏』が作られた。両注釈は南宋の朱熹の新注に対し古注と呼ばれた。ところが,『論語集解』から『論語義疏』に至る六朝期は注釈書が散逸し,ほとんど研究されてこなかった。
著者は長年従事してきた皇侃『義疏』の研究成果に基づき,この300年間の論語注釈史を『義疏』の精査により明らかにする。皇侃は,何晏『集解』によりながらも,その解釈の一義性に疑問を抱き,自らの『義疏』では多義性を重んじて,『集解』以後の論語説を可能な限り網羅的に採り上げ,『集解』に基づく解釈である「本解」と,それとは異なる解釈「別解」とによって構成した。
著者は,その中から六朝時代の論語注釈家39人を選び出し,魏,晋,宋,斉,梁,および生没年不明の注釈家に分けて時代順に配列し,注釈家の履歴,その論語説の紹介と検討,さらに問題点の指摘を行う。日常的な言葉による注釈や,その語句の生まれた社会的歴史的状況を考慮して論じる注釈など,多様な注釈が列挙され分析される。最後に資料編では,各論語説の原文を整理・対校した上で掲載し,基礎資料を提供する。
紀元前から現代まで2000年以上に渡る『論語』解釈史を辿る本書は,論語注釈史研究の基礎を築くとともに中国古典学の醍醐味を伝えてやまない意義深い業績である。
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