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本書は、著者が開発したカリキュラムマネジメントモデルを提示し、学校現場で生かせる実践的な提案をする。
「カリキュラム・マネジメント」に関する議論と実践は、いま新しいステージを迎えている。
今次学習指導要領は「社会に開かれた教育課程」の理念を掲げ、「育成すべき資質・能力」を三本柱で示し、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を求めている。その理念を実現するカギとして「カリキュラム・マネジメント」がクローズアップされている。
第Ⅰ部はカリキュラムマネジメント研究の歴史を概観し、その根本的な考え方について論じ、筆者が開発したカリキュラムマネジメントの理論モデルを提案する。第Ⅱ部は、理論的背景や政策動向をおさえつつ、小学校、中学校、高校での実践事例をもとに教科横断的なカリキュラム編成や学力保障のための授業改善を視野に入れた提案をする。その条件整備としての学校の組織体制や教育行政、地域とのかかわり、GIGAスクール下におけるICT化をも射程に入れ、さらにカリキュラムマネジメントへの子ども参加に道を拓く提案をする。
目の前の子どもたちの姿をとらえたカリキュラムづくりが求められているが、学校の特色や独自性を打ち出すのは簡単ではなく、むしろ無難なものを求める学校も少なくない。またカリキュラムづくりは管理職の仕事として、現場の教員には無関係とする傾向も多々ある。本書はむしろそうした風潮に対して、カリキュラムづくりこそ教員が専門性を発揮できる場であり、「楽しく」取り組めるものだというメッセージをおくっている。
【目次】
まえがき
序 章 カリキュラムマネジメントの見方・考え方
【第Ⅰ部 カリキュラムマネジメントの思想】
第1章 カリキュラムを疑う
第2章 カリキュラム開発における教師の専門性
第3章 カリキュラムマネジメントの概念
第4章 カリキュラムマネジメント・モデルの意義と構造
【第Ⅱ部 カリキュラムマネジメントの実践】
第5章 各学校の教育目標と教育課程編成の基本方針――共創するヴィジョン
第6章 評価を核としたマネジメントサイクル
第7章 カリキュラムマネジメントにおける評価の実践
第8章 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善
第9章 教科等横断的な視点によるカリキュラム編成と実施
第10章 主体的・対話的で深い学びと教科横断的な学び
第11章 社会に開かれた教育課程
第12章 「社会に開かれた教育課程」への挑戦
第13章 組織構造と学校文化
第14章 教育行政の役割と学校からのアプローチ
第15章 カリキュラムマネジメントへの子どもの参加
終 章 図と地の逆転
あとがき
参考文献
索 引
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