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埋葬施設と儀礼の分析から複眼的な古墳時代像を復元
これまで古墳時代の政治史は、青銅鏡や鉄製甲冑などの副葬品をもとに研究されてきた。本書では古墳時代前半期の全国の竪穴式石室や粘土槨と呼ばれる埋葬施設に焦点を当て、その構造から共通性・地域性を抽出し、当時の有力階層がどのような政治ネットワークを形成していたのかを復元する。また、古墳時代の開始期から横穴式石室の出現期までの埋葬儀礼の変遷を考察することで、日本の古墳の成立、盛行そして消滅していくさまを浮き彫りにする。
国内史のみならず世界史のなかで、古墳時代がもつ歴史的意義を考察するための重要な基礎作業の成果。広範囲かつ長期間を対象とし、悉皆的な資料収集と精緻な分析を行った意義も大きい。
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