本書は、2001年6月に牧野書店より刊行された『ベルヌーイ数とゼータ関数』を、牧野書店廃業に伴い、権利を継承して新たに出版するものである。ベルヌーイ数を主題の中心に据えて関連する整数論を展開している、もともと好評の書籍であったが、今回の出版にあたり随所で改良を試みている。特に、第6章「2次形式」および第10章「2次体とそのイデアル論」では、読みやすさの改良とともに、一般の原始的2元2次形式の種の理論、すなわち2次体の極大とは限らない整環に関する種の理論を詳述している。他にも、多重ベルヌーイ数についての組合せ論的側面や初版刊行から今までに新しく明らかになった結果などを加筆している。極大でない整環の種の理論について解説している和書はおそらくなく、もともと好評な書籍をさらに貴重なものにしている。
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