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医師にして漫画家である茨木保氏が、新紙幣の顔のひとり、北里柴三郎の生涯を描く。各章の冒頭や途中にショートストーリーの漫画(あの世から北里がやってきて現代の子どもたちに講義をする設定)をはさんだり、新発見の原理をイラストで説明したりしながら話を進めるというスタイルで、当時の医学界の状況や、難しい北里の研究内容を理解しやすく紹介。これまでにない、わかりやすく、しかも的を射た北里柴三郎伝の決定版。北里柴三郎は1853年、肥後(熊本県)の生まれ。古城医学校(現・熊本大学医学部)、東京医学校(現・東京大学医学部)を経てドイツに留学。コレラ、結核、脚気という明治時代の国家的な健康問題に立ち向かい、今日まで続く日本の近代医学の基礎を築いた。医学の道に邁進する北里に、次々にふりかかった困難とは――。
第一章 柴三郎、立志す
武士に憧れたガキ大将/恩師マンスフェルトの助言で医学の道へ/上京/演説クラブとバンカラ生活/シュルツ事件/乕との結婚/内務省入省/緒方正規に細菌学を学ぶ/細菌学の父 コッホ
第二章 ドイツ留学 世界のキタサトに
ドイツ留学/コッホ研究室への入門/コッホの無茶ぶり/官命に背き、研究を続行/脚気細菌説の否定/破傷風菌の純粋培養/破傷風トキシンの発見と、血清療法の開発/第一回ノーベル賞への貢献/皇帝ウィルヘルム二世の「オハヨー」/三人の留学生/大博士の称号とともに帰国
第三章 東大、文部省との闘い
日本医学界との確執/伝染病研究所の創設/新研究所の建設/住民との戦い/結核専門病院の創設/ペスト菌発見/北里菌とイェルサン菌
第四章 日本近代医学の父 最後までつらぬいた反骨
伝研の繁栄と北里の弟子たち/牛乳事件/福沢諭吉の死/コッホ来日/奪われた伝研/北里研究所の設立/慶應義塾大学医学部の創設と日本医師会の創設/晩年/大往生
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