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本書は一般的な意味でのブックガイドとは異なる。
本書は、日本最大の公的国際交流機関である、国際交流基金の職員が、自分たちの「愛読書」を取り上げ、それらを通じて、国際文化交流に懸ける自らの思いを語っている。
今、世界は著しく変化している。
ウクライナ戦争やコロナ禍、新冷戦はじめ、国際社会において対立が深まり、人類が悲惨な戦争の教訓から得た国際協調の精神が大きく揺らいでいる。
そもそも、グローバリゼーションの時代にあって国境を越えることが容易になったと考えられていたが、私たちは本当に〈越境〉していたのだろうか? ただ、自己の意識を肥大化させていただけではないのか? はたして他者と出会っていたのか?
これが本書の問題関心である。
加速し続ける現代社会において、私たちは立ち止まって、じっくり考えることができなくなっている。
しかし、複雑化し続ける今の社会において本当に求められているのは、より長いスパンで社会を見通す目ではないだろうか。
「書評=ブックガイド」という方法を取ることで、こうしたより根源的な問いにアプローチすることができる。国境を越えて生きるための50冊!
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