社会のなかの美術 拡張する展示空間
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[中原佑介美術批評選集第10巻]
芸術の行くすえを見つめる中原佑介。
後期旧石器時代の洞窟壁画から2000年代の「大地の芸術祭」まで、「展示」のあり方から芸術の変遷を論じ、未知の可能性を展望する中原芸術論の白眉。
2000年代になって中原が「新たな芸術の展開を示すもの」と論じた「大地の芸術祭」。中原が「大地の芸術祭」に見たものは何だったのか。1950年代まて?さかのぼって国際展のあり方、観客と大衆、教育と美術などを論じたテキストを概観し、都市や文明の課題と芸術の接点について、中原が積み重ねてきた思考の軌跡をたどる。
[目次]
第一章:社会のなかの美術
日宣美の問題
芸術のすすめ これぞ大画家への道
「ロバの尻尾」論
戦争と美術についての断章
タブローとパノラマ、二つの視座 市民社会と世界空間の発見
ヒトは洞窟の奥に何を見たのか
第二章:観客とコミュニケーション
絵画とコミュニケーション
絵画と大衆の接点
アメリカ版「空想の美術館」 「ライフ ・ 百万人の名画展」というダイジェスト美術
ハプニング 体験としての芸術
美術と機能のあいだ
大衆を包みこむ芸術
第三章:展覧会の時代
「展覧会の時代」とは何か?
新しいものの歴史 苦悩するアメリカ絵画
再生と方向 報告ヴェネツィア・ビエンナーレ一九七六
西の文化の現在
現代美術の位置
展示とのたたかい
第四章:都市空間と芸術
反恒久的なものを 建築と美術の関連について
ロケイションの思想
彫刻は都市に住めるか
都市の言語(パロール)劇団天井桟敷「地球空 洞説」
建築への美術家の寄与 高松次郎と多田美波の場合
第五章:地域と美術 越後妻有アートトリエンナーレ
脱都会の美術の活力
芸術の復権の予兆
「前芸術」の祭典
越後妻有 アートトリエンナーレのもたらしたもの
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