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「今」という瞬間は刻刻と通り過ぎ、更新されて「新しき過去」となる。その「新しき過去」に、永遠のかがやきを発見するべく、感受性や認識をいつも柔軟に保っていたい。そうした著者の願望が歌集名となった。
(収録歌より)
葉の間にいちやうの緑き実の見えて新しき過去かがやくごとし
紅葉がアルファベットのやうに散る道を歩みぬ黙してふたり
苦しいと言はず必死に呼吸して必死の尽きしとき母逝けり
四つ星の囲むちひさな菱形が蟹座にありて春の入り口
はとバスの黄色い車体を街に見ずただ新緑のさやぐ東京
どこまでがフェイクニュースか判り得ず犬の鼻、鳥の目もたぬわれには
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