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ある日のこと、お兄ちゃんが白い子猫を拾ってきた。子猫は「ぶんた」という名前を付けられ、家族に見守られながら、すくすく成長していく。やがて近所の猫たちからも頼られるボス猫にーー。猫とお兄ちゃんの心の交流を妹の目線から描きながら、「ほんとの幸せとはこういうことなのかもしれない」と思わせてくれる絵本。日本画の絵具と技法で描かれた絵は、まさに、息をのむほど美しい。忙しい毎日を忘れさせてくれる魔法のように。
作者は、かつてともに暮らした猫をモデルにこの物語を書いたという。大好きだったその猫はあまり長生きできなかった。小さな悲劇が起きて、あっけなく亡くなってしまったのだ。その猫との思い出を絵本にして残しておきたいと思った。絵本の最後の一文には、そんな作者の願いがこめられている。
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