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さまざまな社会集団や権力が併存し、紛争の解決手段としてしばしば暴力をふるう。より強大な力をもつ幕府が、それらを統合・支配しようとする。日本の中世は殺伐とした時代だ。本書は、千年の命脈を現代にまで保つ京都・西京神人に焦点をあて、生業と祭祀を紐帯に、苛烈な世界をたくましく生き抜いた民衆の姿を描く。
■編集部からのメッセージ
中世の民衆はどのように生きていたのか。「ほとんど分からない」ということを、歴史が好きな方であればご存じでしょう。史料にあらわれるのは、書けて残せる一握りが必要に応じて記録した、人びとの断片的な情報ばかりです。共同体の実態や盛衰が分かる、描ける、というのは例外中の例外なのです。
本書がとりあげる「西京神人」はそんな「例外中の例外」です。
京都・北野天満宮と深いつながりを保ち、非常に重要な生業であった麹業を営む(なぜ麹が重要だったのかは、ぜひ本書で!)。強い紐帯で結ばれ、ときに武装し闘いながら過酷な時代を生き抜く――。本書を読めば、「武士の時代」のイメージではくくれない、中世日本の新しい姿を知ることができます。
じつは神人の子孫の方々はいまも京都にお住まいで、本書の内容には、子孫の方々との交流から得たことも大いに活かされています。史料だけでは知ることができない歴史に、どのように近づくのか。著者の試みにもご注目ください。歴史を知る方法も表現のしかたも、もっと色々あるのかもしれない。本書に生き生きと描かれた民衆の姿から、そのように思わされます。
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