1990年の「出入国管理及び難民認定法」改正により、主に南米の国々から日系人系の出稼ぎ労働者が来日。その数が急増するとともに、定住化傾向をみせ、いわゆる「外国人児童生徒教育」問題が顕在化するようになった。北関東の栃木県・群馬県も、いわゆる「外国人児童生徒」が急増した地域の一つ。栃木県では、ほぼすべての市町に外国籍児童生徒が小・中学校に在籍するようになっており、教師は「外国人児童生徒」に接するようになっている。
近年は多文化共生を目指し、多文化教育、多文化共生教育が行われているが、問題は解消されたわけではない。
本書は『栃木県における外国人児童生徒教育の明日を考える』(宇都宮大学国際学部田巻研究室編、2008年)を編んだ筆者らが10年以上を経て、それぞれの立場から現在の「外国人児童生徒教育」について論じるとともに、この分野の教育に従事してきた教師・指導者が執筆したコラムも配置。大学において、いわゆる「外国人児童生徒教育」に関して学ぶ際のテキストないし参考書として用いられることを想定して編まれたものである。(「まえがき」より)
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