特集:免疫療法の新たな展開ー発症予防,併存疾患への影響も含めて
舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)の開発,普及によって,アレルギー疾患治療は新時代を迎えている。SLIT には,①アレルゲン溶液や錠剤を舌下に保持するだけの簡単な操作であること,②皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)や経口免疫療法(oral immmunotherapy:OIT)等,アナフィラキシーを誘発する危険性のある他のアレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy:AIT)に比べ,副作用がはるかに少ないこと,③そのため,在宅でも患者自身による服薬が可能なこと,④各種対症療法と比較しても,副作用の懸念が少ないこと,⑤対症療法とは異なり,症状の軽減だけでなく,アレルギー疾患の根治も期待できること等,多くの有益な特長がある。
一方,十分な効果を得るためには長期間の治療が必要であることが欠点であるものの,ほぼ唯一のものと言える。
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