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なかなか厳しい就活を経て、食品卸会社に入社した酒匂(さこう)ミチル。
取引先にウケがよさそうな名前だという安直な理由で、
"酒類"販売二課に配属されてしまったが、実はお酒はほとんど飲めない。
取引先の信頼を得るためと、勧められたお酒を必死に飲んではいるが、
どうしても美味しいと思えない。
初めはこれが、大人になる通過儀礼なのだと思っていた。
違和感に堪えて飲み続けているうちに、やがてお酒を美味しいと感じられるようになる。
そのときこそ、大人になったことを実感できるのだと。
でも、いつまでたってもその時は訪れない。
学生時代の友達との集まりも、いつしか夜のお酒の店ばかりーー。
孤独と疲れを感じていたある日、引き継いだ取引先のひとつに、
極端に注文が少ない「バー」があることに気づく。
『SOBER CURIOUS』
――この店は、ノンアルコールをたしなむバーであるらしく……?
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